わーままタイムズ(仮)

出産、授乳期のことなどをメインに、5歳児と7歳児との暮らしのことなど。

中学生時代の自分に読ませたい『思い出のマーニー』 夏休みの読書感想文課題にいかが?

 こんにちは。先日読み終えた『思い出のマーニー』を紹介します。

 

 この本はジブリの作品に取り上げられたことで有名です。作者はイギリスの児童文学作家ジョーン・G・ロビンソンという方。1967年に初版が発行されたそうです。この作品も児童向けといえば児童向け。しかし主人公の感情や心の機微など、そこそこの人生経験があるからこそ「うんうん、そうかそうか…」と理解できることがたくさんあります。読んでみると、学生時代に読むのとは違う感想を持たれると思います。とはいうものの、夏休みの読書感想文課題のために本をお探しのお子さんがいらっしゃれば、間違いなく推薦する図書です。個人的にとても気に入りました。主人公と自分に共通する点がいくつかあり共感できるからだと思います。

 

 あらすじ…  持病を持ち、人に心を開かない主人公のアンナ。何かが理由で周りに疎外感を感じています。里親のプレストン夫妻の計らいで、自然豊かな田舎町の伯父叔母夫妻の下でひと夏を過ごすことになります。そこで出会うマーニーという名の少女。親友と思える友を得たアンナでした。しかしマーニーは突然姿を消してしまいます。理由もわからず「裏切られた」と傷つくアンナ。やがて、一冊の古いノートが見つかります。それは、過去と未来を結び奇跡を呼び起こすノートでした。

 

 個人的に最も心に響いたのは、「人から愛されるということは私たちの成長を手助けする大切な要素の一つ。そういう意味でマーニーは決して成長することができなかったのかもしれない」という一節でした。育児の重要ポイントがここに書いてありました。マーニーは実親から育児放棄され、メイドや乳母からいじめられ、寂しい思いをしながら幼少期を過ごしました。現代の育児書にも書かれていますが、親から愛されずに育った子は我が子に対しても同じように振る舞うようです。愛し方がわからないのです。厳しく育てられれば厳しく育てたり、怒られながら育てられれば怒って育てます。各家庭のやり方があります。育った家庭によっていろいろな「普通」があるのです。我が子の将来のために愛のある育児をしたいものです。また、親は育児を通して人生を追体験している、とほかの本で読みました。男の子の親は大変💦と思いますが、外で蝉取りをしたり磯遊びをしたり、一緒になって元気に遊びまわるのも楽しいものです。男の子のママでよかった~!と実感します。話がそれました。

 

 過去と未来が結びつく面白さを持つ本、という点で連想する本があります。『トムは真夜中の庭で』という児童書です。小学生時代に読み、時々思い出して再び読みたくなります。ところが、主人公が男の子だからか共感する点はあまりないのです。ストーリーとしてはとても面白いですがね。アンナと私の共通点、それは「疎外感」です。私だけじゃなかった!ととても嬉しく思います。私も日々疎外感を感じています。私の場合、中学生頃から感じはじめ、ついこの間までは辛く感じていました。しかし今は家庭を持ち、家族が増えました。大切な人たちができ、大切にしてもらっています。そうなると、外で感じる疎外感はたいして問題ではなくなりました。また、趣味の延長で所属していたチームでも感じていましたので、やはり気疲れしていました。なので頃合いを見て退会しました。どこへ行っても疎外感を感じやすい体質なのだと思います。違う価値観やキャラクターを持つ人を受け入れ難いのです。「愛想笑いをしてつかず離れずな自分」をやめ、そういう自分を受け入れました。すると、いろいろと楽になりました。愛想笑いを続けるのは辛いですし、興味もない人や事の情報がSNSで入ってくるのもしんどいです。自分を大切にする、ストレスをためないための対応策です。

 

 注目ポイントがやや暗いですが、このほかにも面白い切り口はたくさんあると思います。次はあなたの目で読んで感想文を書いてみてください。そしてその感想文を読ませてください。

 

 

思い出のマーニー (新潮文庫)

思い出のマーニー (新潮文庫)